学校の階段

角川学園小説大賞の作品です。嘘です。ホントはえんため大賞優秀賞です。
でも、そんな感じです。

これは学校を走り回る階段部の物語です。
「なぜ走るの?」
「そこに階段があるから」
実は体育会系熱血ストーリーです。
競歩じゃあかんの?」
「いや、それじゃお話になりませんから」
この手の話は何をネタにしてもそれなりに楽しいです。
そこに仲間がいて師匠がいてライバルがいてヒロインがいて反対勢力がいて逆境があり特訓がある。そして、戦う。それで話になるのですから。
テニスでもアメフトでも囲碁でも麻雀でも……戦う道具は何でもいいのです。
ネタになりさえすれば。ネタが全てです。門外漢を唸らせて引き込めればいいのです。
つまり、この場合、階段部の設定を考え付いたところで勝ちなのです。
そのほかの要素はおまけなのです。おまけが話の支柱であり土台なんですけどね。

しかし。
そのおまけのさらに外周。同居家族に従姉妹四姉妹とか投入しているあたり。
この辺がとってもえんため大賞ぽいですね。
これが例えば電撃大賞なんかだと妙にシリアスぶった背景を背負った家庭だったりしますからね。絶対。
間違ってもそんな設定にはしない、この妙な明るさがえんため大賞の魅力です。
そんなえんため大賞を私は応援しています。

次回作、あとがきでは続編と言ってますが、正直、二度も通用するようなネタではないと思います。
また違うヘンテコ部活動を考えてほしいですね。